AIも自動ブレーキも電子書籍も、私たちの礎という心理について

AI、IOT、自動運転…ここ数年、IT関連の技術進歩がすさまじいですね。
しかも、それが私たちの生活にグイグイ入ってきています。
確実に、私たちの生活は便利になってきています。

時に、技術を開発して使う私たち人間が、追いつけないほどに。

★まさに「爆発的」進化

検索をすれば、興味がありそうな広告が自動で表示されますし、
通販サイトからは「あなたへのオススメ」が提案されます。
これって結構、的を射ているんですよね。
検索履歴と膨大なデータをAIが解析した結果です。

従来はお客さんと仲介担当者の長年の付き合いをベースに、
仕事だけじゃなく好みまで把握して提案していたものが、
今や自動です。

これまでインターネットに繋がるのはPCとモバイルぐらいでしたが、
理化学機器とか工事車両もインターネットに接続して
稼働状況、場所、異常とかをセンターに送信するものがあります。
部品の交換時期も提示してきます。IOTの普及、進んでいますね。

従来、稼働場所は販売実績でしか知りようがなく、状況と部品交換は
定期的なダイレクトメールかお客さんからの連絡待ちでした。
インターネット経由で返ってくるデータが増えるほど、
IOTの威力は増していくことでしょう。

自動車だって、数年前までは最新技術だった自動ブレーキの搭載は
スタンダードになってきています。
オートクルーズ機能もそうでしょう。
非常時以外に人が操作しない自動運転も、実証段階です。

私が子供の頃、自動運転車とか空飛ぶ車はSFの中の話でした。
トータル・リコールとか、バックトゥザフューチャーとか。
それがもう間近のうちに実現しそうです。

まさに、爆発的進化ですね。

新技術とか新製品は、ある一定以上広まって、
「溝」を越えると一気に普及します。
これらの技術は、溝を越えないことをイメージする方が難しいです。

★「ちゃんと使える」ことが一番大事

例えば、多くの人がもつスマホ。
本当にたくさんの機能があります。

ちゃんと使えていますか?使いこなせていますか?

かという私も、ほんの一部しか使えていません。
クラウドとアプリとスマホの容量を駆使して、もっと荷物を減らして、
効率的に情報を集められて、情報損失のリスクも減らせるはず。
ですがなかなか、そこまで手が回っていません。

これは、スマホという製品、周辺インフラを使いこなすにあたって、
私の知識とスキルが不足しているから。

言い換えれば、私はまだ、スマホに追いつけていないわけです。

それでもガラケー時代とは全く次元が違う便利な生活を送れているので
これはこれで困らないんですけどね。
「もったいない」というだけで。誰も怪我しないし。

ただ、人命がかかると話は別です。

自動ブレーキ搭載の車を運転する人の25%が、
急加速とか急減速みたいな想定外の動作を経験しているそう。
さらにそのうちの25%は物損事故も起こしています。

「自動ブレーキなのに、なんでぶつかるの?」

そう思った方は気を付けてください。
テレビCMのイメージとか、文字だけで機能を捉えていませんか?

自動ブレーキも、アクセルの踏み間違い防止装置も、
オートクルーズも、「自動運転」ではありません。
信じ切っていると危険です。

これは、先進安全装置を搭載した車を運転する時の注意事項として
ちゃんと説明があることですが、
17%の人が「理解していない」と答えています。

完全な自動運転、完全な安全装置は、この世のどこにもありません。
センサーが障害物とか人間を感知しない状況もあるし、
何かの不具合で機能しない事もあります。

対向車がよそ見運転で突っ込んで来たら、装置どころの話ではありません。

あくまで、自動運転っぽい機能も安全装置も、
人間の運転をサポートするものです。
運転者が機能を使って楽するためのもので、
状況判断とか主体性は、運転者が持っていないといけません。

将来期待されている技術とか、字面とかから
私たちが思い描く機能、装置、世界。
そこには技術、製品が追いついていないんです。

今は、まだ。

★技術や製品は、人間が豊かになるためにある

私たちが生きるこの社会は、どう突き詰めても人間で成り立っています。
つまり、その中で産まれるどんな技術も製品も、
人間の役に立たなければ意味がないです。

ですが、ともすれば私たちは、進化著しい技術、製品に酔って、
あるいは勝手に勘違いをして、万能のものと思ってしまう。
そんなことがあります。

その技術、製品には当然、実現したい姿とか目指す未来があります。
でも、それは今この時点で実現できているとは限りません。
それらが素晴らしいならなおさら、
そこのところを踏まえて、ちゃんと使いこなしてやる。

そんな視点と力量が、人間には必要なのだと思います。

字面とか想像に全部預けるのではなくて、
ちゃんと自分で把握して、使っていく。
その上で、足りない部分を埋めていく。
実現したいことを実現するための礎として。

それが私たち人間にしか担えないものの一つだと思います。