健康の維持増進のための運動。
どれだけしたらいいのか?
それは、「運動強度」で考えられます。その単位が「MET」です。
健康のために運動をしましょう。
よく聞く話ですね。
健康診断の時にお医者さんに言われたり、
実際に運動を始めようとしている人も多いと思います。
でも、そこで疑問。
何をどれだけしたらいいのか?
よく聞く、職場までの一駅を歩くとか、
階段を積極的に使うとか、そんなんで本当にいいものなのか?
運動強度、METで解き明かしましょう。
★そもそもMETって、何?
上でも触れていますが、METとは運動強度を表す単位です。
読み方は「メット」。
「Metabolic EquivalenT」の略で、
複数形になるとMETs(メッツ)になります。
車の助手席にじっと座っているとか、
テレビを寝転がって見ている時みたいな、
「安静にしている」状態が1METと定義されています。
その状態と比べて、この活動は何倍の運動強度をもっているか。
それを表すもので、色々な検討の結果、
この運動は何METsかというのは毎に明らかにされています。
ゆっくり歩くのは2.5METsとか、
座ってのデスクワークは1.8METsとか。
運動ごとなので、体重や心肺機能といった個人差のある要素は
MET自体には影響しません。
★健康維持にはどれだけの運動が必要?
METは運動強度を表すといいました。
これに時間を乗したものが「MET・時」で、
運動量の単位として使われています。世界的に。
ちなみに、MET・時は「エクササイズ、Ex」とも表されます。
健康を維持する上で必要な運動量は年代によっても違います。
18歳未満は定義されていませんが、
18歳から64歳までの健康な人は、3METs以上の運動を週23METs・時以上。
65歳以上の健康な人なら、METs問わず何かの運動を週10METs以上。
これが健康維持に必要な運動と言われています。
週23METs・時以上。
いまいちピンときませんよね。
後で紹介しますが、1日1時間の速歩きなら、週に6日ぐらい。
1日1.5時間速歩きすれば、週に4日ぐらいです。
感覚的には「できなくはない」という感じ。
そんな運動量です。
★毎日そんなに時間ないよ!という人のために
毎日1時間も散歩できる生活であればいいですが、
出張があったり残業があったり接待があったり。
そんなに時間とれるか!
という方のために、色々試算しました。
まずはざっくり、「どんな運動が何METsか」から。
・読書:1.3METs
・デスクワーク、勉強:1.8METs
・料理、洗濯物を畳む:2.0METs
・立ち仕事:2.3METs
・ストレッチ、ヨガ、掃除、ゆっくり歩く:2.5METs
・軽く子供と遊ぶ:2.8METs
・大工仕事、速歩き:3.8METs
・自転車に乗る、レジャー、通勤、水中運動:4.0METs
・ゴルフ:4.5METs
・がっつり子供と遊ぶ:5.0METs
なかなか面白いですね。
この中で一番METが多いのが、走ったりしながら子供と遊ぶこと。
そりゃ疲れますよね。
通勤も4.0METsとかなり高いです。
電車で立ったり歩いたりの総合だと思います。
間違っても、電車で寝ている状態ではないのでご注意を。
デスクワーク、勉強も意外に高めです。
事務職の方だと、平日は一日6時間ぐらいは作業しますよね。
これで考えると、一週間で75.6METs。
おおすげー。
ただし、多くの人の健康維持には3METs以上の運動が必要なので、
残念ながら除外です。
まあ考えてみれば、安静にしていて1METなので、
ゴロゴロ過ごして1日24METsなわけです。
それで健康なら苦労しないですよね。
こんな感じで、モノによれば意外に高いMETの行動もあります。
この中で生活に取り入れやすいのはこの3つでは?
・速歩き:3.8METs
・通勤:4.0METs
・自転車に乗る:4.0METs
週23METs・時をかせぐには、速歩きだけなら週6時間、
通勤とか自転車だけなら5時間45分必要です。
ここで考えてみたいのは、自分の毎日でどれぐらい
歩く時間、通勤時間、移動時間があるか、ということ。
僕の場合、営業職なのでアレですが、
仕事で歩く時間は1日に大体1~2時間ぐらい。
通勤時間は片道2時間ですが、ほぼ座っているのでノーカウント。
自転車は通勤の一部で1日15分ぐらい乗ります。
ということは、平日営業に出ている時、速歩きをすれば
必要なMETのほとんどをかせげます。
問題は休日ですね。
誰かと一緒に出掛けたら速歩きするわけにもいかないし。
ここは平日にかせいでしまうか、意識して自転車に乗るか、
どちらかでしょうか。
あなたの生活ではどうでしょうか?
METの高い運動に置き換えられるところが、
実はあるのではないでしょうか?
★一番のポイントは「意識をする」こと
普段の生活や通勤で、移動したり歩いたりする時。
のんびり歩くのも全く悪くないですが、
意識して速歩きをしたり、電車で立っていたり、
いつも車で行く近場へ自転車で行ってみたり。
そう、いつもより一駅だけ早く降りて、速歩きしたり。
そうやってちょこちょこMETを積んで、
週に23METs・時以上になれば、
あなたの健康は維持増進されていきます。
特別な事をする必要はありません。
日常の行動を、ちょっとMETsを意識したものに。
今からやってみませんか?