睡眠時間を削って仕事をする、資格試験とかの勉強をする。
誰しも経験があると思います。
日中の時間だけではどうにもやり切れなかった時、
しんどいし身体に良くないのはわかっているけど、
時間がないから睡眠を削ってなんとか仕上げようとしますね。
眠い目をこすりこすり、なんとかここまで、
なんとかこれだけは、と頑張るわけですが。
潔く、やめましょう。
今夜は諦めて、明日全力でやりましょう。
時間の浪費につながっているから。
時間がないから睡眠時間を削ってまでやろうとしているのに、
その中でさらに時間が浪費されてしまうとしたら。
目も当てられませんね。
一体どういうことなのか。
説明します。
★深い浅いだけじゃない。睡眠の役割。
睡眠には2種類あります。
皆さんもご存知の通り、ノンレム睡眠とレム睡眠です。
そもそも、ノンレム睡眠とレム睡眠って何なのか?
ノンレム睡眠は深い眠り、レム睡眠は浅い眠りと言われたりもしますが、
実は違います。
「レム」とは急速眼球運動「Rapid Eye Movement」の頭文字REMです。
ノンレム睡眠はREMがない睡眠、レム睡眠はREMがある睡眠です。
ノンレム睡眠の時、脳は完全に休んでいます。
なので「深い眠り」と言われもしますが、浅い時もあるんです。
ノンレム睡眠にも浅い時(ステージ1)から深い時(ステージ4)まで
4ステージに区別されています。
ノンレム睡眠の間に嫌なことを緩和したり、
要らない情報を消したりしています。
また、ステージ3と4の時には成長ホルモンを分泌して
細胞の修復、疲労回復、成長といった身体のメンテナンスもしています。
一方、レム睡眠の時は、脳は起きています。
それどころか、起きている時以上に活発に働いています。
眼球をめちゃめちゃ動かしながら何をしているかというと、
「情報の整理」「記憶の定着」「記憶のインデックスづくり」です。
コンピュータでいうデフラグのようなものですね。
脳が作業に集中できるように、身体は動かないようになります。
いわゆる金縛りになるのもレム睡眠の時です。
このように、ノンレム睡眠とレム睡眠は役割が違っていて、
深い浅いで分けられるものではなく、どちらも必要不可欠です。
一晩の睡眠のうち、ノンレム睡眠が75%、、レム睡眠が25%ほどです。
眠りに落ちてからまずノンレム睡眠に入って、ステージが進んで、
レム睡眠へ移り、またノンレム睡眠へ入っていきます。
このサイクルがおおよそ90分で繰り返されていきます。
★睡眠時間を削る頑張りは「無駄」ということ
言わずもがなですが、脳も身体も疲れている状態で
いくら頑張っても、能率が低いです。
生産性が低いとも言えますね。
同じ量の仕事、勉強をしても、スッキリしている時より
ずっと時間がかかります。
しかもミスも多くなります。
これは皆さん、経験があると思います。
僕も、次の日に締め切りが迫ったレポートをほぼ徹夜で仕上げた時、
誤字脱字はもちろん、つじつまが合わなかったり、
言い回しがおかしくなっていた経験があります。
いくら、ちゃんと見直しをしたつもりでも。
頭がぼーっとした状態で、無理やり仕上げた結果です。
これなら、その夜はもう寝てしまって、
次の日早く起きてやればよかったと後悔しました。
特に勉強をしている時。
つまり、何かを頭の中に定着させなければいけない時。
睡眠を削るのはもう最悪です。
記憶を整理して、定着させて、呼び起こすためのインデックスをつくる。
これは、レム睡眠中に脳が全力で働いてこそ実現できます。
そこで睡眠時間を削るとどうなるか。
まず、一晩寝ているうちの25%しかない、
大事な大事なレム睡眠が足りなくなります。
当たり前ですが、そうすると、記憶が定着しにくくなります。
整理できていないので、呼び起こすことも難しくなります。
せっかく頑張って覚えたつもりでも、これでは意味ないですよね。
しかも能率も落ちているので、限りある時間を浪費しています。
まさに「時間の無駄」です。
★タイムマネジメントが全てを握る
学校のテスト勉強ならともかく、
社会人になって資格を取るということは、
その資格、知識、技術を仕事とか生活に活かすということです。
頭に残らない、身につかない勉強なんてやるだけ無駄です。
そうなってしまうぐらいなら、
夜は眠たくなったらスパッと寝てしまって、
次の日、スッキリした頭で集中して取り組んだ方がずっといいです。
仕事、勉強を低パフォーマンスでダラダラ続ける時間を
思い切って睡眠に振り分けて、次の時間を効率的に使う。
タイムマネジメントをしっかりするとも言えますね。
そもそもは、睡眠時間を削るなんて状況にならないように
早く取り組み始めることが一番です。
が、いつもそうできるわけじゃないですよね。
そんなピンチな時こそ、しっかりタイムマネジメントして、
最大のパフォーマンスで最大の結果を出しましょう。